とってもすごい、唾液のパワー~身体への働き編
こんにちは、院長の小野です。
唾液の働きはお口の中だけにとどまりません。
ここでは、全身への働きをお話しします。
- 感染を予防する
唾液に含まれている抗菌物質であるIgAは、細菌やウイルスが身体に侵入するのを防ぐ働きがあります。
唾液中にIgAが多いと、風邪やインフルエンザなどの呼吸器系疾患にかかりづらくなることがわかっています。
肺炎や、高齢の方に多い誤嚥性肺炎の予防にも、唾液中のIgAの量が影響します。
- 食道の粘膜を保護します
お口の粘膜を保護をするムチンは、同じように食道の粘膜も保護します。
唾液が少なくなると、粘膜が傷つけやすくなり、食道炎になる可能性もあります。
また、食道と胃の境目の弁を保護することで、逆流性食道炎の予防にもなることがわかっています。
- 胃の粘膜を保護する
成長因子のEGFは、粘膜の保護や修復、胃酸の抑制に関与すると考えられています。
- 消化を助ける
唾液中の消化酵素のアミラーゼが食べ物の消化を助け、胃や腸の負担を軽減します。
抗菌物質であるIgAとは?
IgA(免疫グロブリンA)は、身体を細菌やウイルスから守る抗体の1つで、風邪やインフルエンザ、肺炎などの感染を予防する働きがあります。
唾液の他、母乳や涙、鼻水、腸分泌液に多く存在し、お口の中には、1日50~100㎎が唾液中に含まれて分泌されます。