神経を取って被せ物をしている歯が痛みました。
歯医者に行ったら、歯の根っこの先端が炎症を起こして膿んでいると言われました。
治す治療はとても難しいと言っていました。
本当なのですか?
こんにちは、院長の小野です。
神経を取った後の歯の再治療の基本は、神経を取る治療と同じく、かきだす、消毒をする、封をする、の3つです。
それならば困難さは同じでしょうと思われますが、実際には全くの大違いで、再治療には、
- 細菌は歯の中で蔓延している。
2,神経を取ることにより、歯が脆くなっている。
3,硬い詰め物を取り除いてからの治療になる。
ということをクリアしていかないといけないのです。
まず1ですが、神経を取った歯には血液やリンパ液が流れておらず、生体の防御反応が働きません。
細菌は増殖していますし、細くて発見しにくい根管もあります。
それならば、細部まで徹底的にかきだしてきれいにすればいいのですが、そこが神経を取った歯となると、すでに神経を取ったときのダメージもありますので、歯の掃除にはおのずと限界があります。
しかも、歯の根っこの奥までしっかりと詰め物をして封をしていますので、まずこれを取り除かなくてはなりません。3
中には石灰化をして硬くなっているケースもありますので、歯を傷めずにのは至難の業です。
こうした事情で、病気が治る程度まで細菌を減らすことが困難菜場合もあります。
根っこの治療はとても難しい治療です。
通院期間が長期に及んだり、痛みが止まってもしばらく通院が続くことはあります。
患者さんにもどういう事をしているか知っていただいた上で、しっかりと治して行きましょう。