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知覚過敏症って良く聞くけど、どういったことなの?

象牙質知覚過敏症とは、冷水や歯磨き時の刺激に対して、歯頸部や歯根面の知覚が拮抗して発症する一過性の疼痛を伴った疾患のことをいいます。
こんにちは、院長の小野です。
通常、象牙質はエナメル質やセメント質で被覆されているが、歯根表面を覆うセメント質はエナメル質と比較して格段に軟らかく、細菌の産生する酸による脱灰や歯ブラシの不適切な使用により、容易に磨り減り、象牙質が露出してしまうことが大きななりたちになります。
知覚過敏の主な原因
1 不良なプラークコントロール(例;細菌が酸性する酸)
2 酸の過剰摂取・頻繁な嘔吐(例;ソーダ水、ジュース、白ワイン、酢、過食症)
3 歯頸部の実質欠損(例;アブフラクション)
4 歯ブラシの摩耗(例;粗い研磨剤)
5 歯石付着抑制歯磨剤の使用(ピロリン酸ナトリウム)
6 その他(プール中の塩素)
これらのうち、2の”酸”に起因すると思われる知覚過敏症は近年増加していると報告があります。
発症のメカニズム
象牙質の中に象牙細管と呼ばれるものがあり、歯髄に近づくにつれて密度が増します。
その内部は象牙細管内組織液で満たされています。
通常、象牙細管が口腔に露出すると象牙細管は石灰化物で閉鎖され、知覚過敏は発症されません。
すなわち、象牙細管の入り口が塞がれていれば知覚過敏は起りにくいと考えられます。
開口した象牙細管に刺激が加わると、象牙細管内の組織液の流れに急激な変化が生じ、この圧変化が神経の末梢に伝わります。
この細管内組織液の動きに起因する疼痛発生理論は動水力学説と呼ばれます。
さらに、細管を細い管として考えた場合、そこを流れる液体にはハーゲン・ポアズユイの法則をあてはめることができ、これは”管を一定時間流れる流量は、管の両端の圧力差および管の半径の4乗に比例し管の長さに反比例する”という法則をいいます。
この法則に従えば、わずかでも開口部の径を小さくすることにより、大幅な流量の減少を図ることができ、動水力学説と考え合わせれば知覚過敏は減少するという理屈になります。

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