根面う蝕ってなんですか?
こんにちは、院長の小野です。
歯茎が下がって、今までは見えていなかった歯の根元が露出してきました。
見た目にも気になりますが、これって大丈夫でしょうか?と質問を受けることがあります。
今回は、露出した根面についてお話をしていきます。
根面う蝕というのは、露出した根面にできるむし歯のことを呼びます。
歯は大別して、物を噛む部分である「歯冠」と呼ばれるところと、歯を支える「歯根」と呼ばれる部分で構成されています。
歯冠部は歯肉(歯茎)より上の部分、歯根は歯肉に埋まっている部分というのが、臨床上の分類です。
加齢や歯周病により、歯肉が下がると歯の根元が見えてくるのですが、この歯肉から覗く歯根部の面を「根面」と呼びます。
そして、この露出した根面がむし歯になることを、「根面う蝕」と呼んでいます。
これは、高齢者だけに起きるものではありません。
「大人のむし歯」でもあります。
とても熱心に歯磨きをしていたため、歯冠部はむし歯はなくピカピカですが、残念なことにそれを支える歯根がむし歯になってしまうことがあります。
これは、歯肉が下がり露出した根面へのケアが足りなかったことで生じてしまします。
家で例えるなら、建物自体は新築そのものでも、土台の柱がシロアリに食い尽くされていることの様な物です。
年齢とともに歯茎が下がることが多いため、根面う蝕は高齢者の方に多いと言うイメージがありますが、実はそうとは限らないことがあります。
歯周病で歯茎が下がっていけば、当然若年者の方にも起こりえるものです。