フッ素入り溶液で、うがいを!
こんにちは、院長の小野です。
「フッ化物洗口」をご存じですか?
小学校などで実施されているところがありますが、フッ化物は歯磨き剤でおなじみの成分ですが、「フッ化物を含んだ溶液で口をすすぐこと」をフッ化物洗口と呼びます。
実施方法は、フッ化物が入った溶液で、一週間に一回、一分間、子供達にブクブクうがいをしてもらうだけです。
洗口後は飲食をしないのが理想ですが、学校ですとなかなか難しいですが工夫してされています。
では、フッ化物洗口はどのようにむし歯予防に役立つのでしょうか?
飲食後、お口の中の細菌が出す酸や飲み物に含まれている酸などにより、歯からカルシウムが溶け出します。(これを脱灰と呼びます)
その後時間が経つにつれ、唾液の作用でだんだんと溶け出したカルシウムが歯の中に戻ってきます。(これを再石灰化と呼びます。)
そのときにフッ化物がイオンの形で唾液中にあると、再石灰化のスピードが速くなるばかりか、歯の結晶をごく僅かずつ硬く大きな物に変え、歯の表面の結晶性を増していきます。
その結果、酸に対する抵抗性が強くなり、むし歯になりにくくなります。
この仕組み自体は、歯磨き剤に含まれるフッ化物と同じです。
ただ、フッ化物洗口の場合は、その後お口をすすがないため、適切な濃度のフッ化物が長くお口の中にとどまりやすくなります
ただし、フッ化物洗口は、始めてすぐに効果が出る物ではありません。
数年かけて、ほんの少しずつ歯の質を変えていくものなのです。
また、大人の歯に生え替わる時期の幼稚園の年中さんから中学校の卒業の時期の間が効果があると言われています。