銀歯とセラミックの違い|詰め物・被せ物の選び方
この記事の要点
- 材料選びは見た目だけの問題ではありません。汚れの付きにくさ、二次虫歯のなりにくさ、かみ合う歯への影響も変わります。
- 保険の銀歯は費用を抑えられますが、劣化により歯との間に隙間ができ、その下で虫歯が再発することがあります。
- 保険の前歯(硬質レジン前装冠)は表面がプラスチックのため、年月とともに黄ばみや着色が起こります。
- 自費ではセラミック・ジルコニア・ハイブリッドセラミック・ゴールドをお選びいただけます。費用は税込60,500円〜165,000円(1本)です。
- どの材料にも欠ける・割れるなどのリスクがあります。強い力がかかる歯では材料の選び方が変わります。
結論:どの歯を、何を優先して治すかで決まります
「セラミックと銀歯はどちらがよいのか」という質問をよくいただきます。結論から申し上げると、治す歯の場所と、何を優先するかで答えが変わります。すべての歯に同じ材料が最適ということはありません。
当院では治療の選択肢として、保険治療だけでなく自費治療も含めてご案内しています。判断していただくために、次の4つの物差しで材料を比べてください。
材料を比べる4つの物差し
- 見た目:天然の歯に近い色と透明感を出せるか。年月が経っても色が変わらないか
- 二次虫歯のなりにくさ:表面に汚れが付きにくいか、歯との境目に隙間ができにくいか
- 強さと、かみ合う歯への影響:欠けにくいか。硬すぎてかみ合う歯を傷めないか
- 費用:保険が使えるか。自費の場合いくらか
この4つのうち、どれを優先するかは患者様によって違います。前歯なら見た目、一番奥の歯なら強さ、という具合に、同じ方でも歯によって優先順位は変わります。
保険で入れられるもの
保険治療は費用の負担が少なく、治療も早く進みます。一方で、使える材料が国の定めたものに限られるという制約があります。
コンポジットレジン(保険・詰め物)
歯科用のプラスチックを、削った穴に直接詰めて固める方法です。小さな虫歯であればその日のうちに治療が終わります。
- 利点:歯を削る量が最小限で済む/その日のうちに詰められる/目立ちにくい/欠けても部分的に補修できる/歯より軟らかいためかみ合う歯を傷めにくい
- 注意点:時間が経つと変色・着色しやすい/すり減りやすく強度が足りない場合がある/大きな穴や奥の方には直接詰められないことがある
銀歯(金銀パラジウム合金・保険)
型を取って製作し、後日装着します。詰め物にも被せ物にも使える、保険治療の中心となる材料です。
- 利点:硬く、強いかむ力にも耐える/使える範囲が広い/費用の負担が少ない
- 注意点:金属色が目立つ/外れにくくするために歯を余分に削る必要がある/硬いためかみ合う歯を傷めることがある/金属アレルギーの方には使えない
見た目以外にも知っておいていただきたいことがあります。銀歯そのものと、歯に接着するための材料は年月とともに劣化します。すると銀歯と歯の間にわずかな隙間ができ、そこから細菌が入って被せ物の下で虫歯が再発することがあります。上から覆われているため、進行してからでないと気づきにくいのが難しい点です。
また、金属が唾液に触れて溶け出すことで、歯ぐきが黒っぽく変色したり(メタルタトゥー)、金属アレルギーの原因になったりする場合があります。銀歯を入れてから口内炎が治らない、手のひらに水疱ができるといった症状が続いている方は、一度ご相談ください。
硬質レジン前装冠(保険・前歯)
金属の土台の表面に、硬いプラスチックを貼り付けた被せ物です。保険で前歯を白くできる方法ですが、表面がプラスチックであることから次の特徴があります。
- 透明感のないマットな白さで、隣の歯との違いが分かりやすい
- 日常的に細かい傷が入り、そこに色素が入り込んで黄ばんでくる
- 口紅などの色が移ることがある
- 水分を吸収する性質があり、においが移りやすい
すぐに起こることではありませんが、数年単位で見ると色の変化は避けられません。
どの材料が合うかは、歯の状態を見ないと決められません
おの歯科医院はJR岡崎駅東口から徒歩3分、駐車場12台を備えています。治療前のご相談だけでもお受けしています。
自費で選べるもの
当院で取り扱っている自費の材料は、セラミック・ジルコニア・ハイブリッドセラミック・ゴールドです。ここでは治療内容をご説明し、費用・治療回数・リスクはこのあとの節にまとめます。
セラミック
陶材だけで作る材料です。天然の歯に近い色と透明感を出せます。表面がなめらかで汚れが付きにくく、変色しません。
陶器と同じで、以前は強い力のかかる場所には不向きとされていました。近年は歯と同程度の曲げ強度をもつ材料が開発され、使える範囲が広がっています。ただし強い衝撃で欠けることはあります。強度を確保するために一定の厚みが必要で、その分だけ歯を削る量は保険の詰め物より多くなります。
オールセラミック(被せ物)
内側から外側まですべてセラミックで作る被せ物です。金属を使わないため、内側の金属の色を隠す必要がなく、透明感を再現しやすい材料です。前歯のように色が目立つ場所に適しています。
被せ物の下に金属の土台(コア)が入っている場合、その色が仕上がりに影響することがあります。その際は白い土台に入れ替えることをご提案する場合があります。土台の処置については根管治療(歯の根の治療)の流れと通院回数で説明しています。
ジルコニア
人工ダイヤモンドとも呼ばれる、強度に優れた材料です。当院では色の再現性によって3つの区分をご用意しています。
- エコノミー:もっともベーシックな色のジルコニアです。強度が高く変色しにくい一方、使える色が限られます
- ハイグレード:ハイブリッドセラミックに比べて天然の歯の色に近づきます
- プレミアム:セラミックをコーティングして色を作ります。一般のジルコニアやセラミックより強度があり、色の再現性も高い区分です
いずれも金属を使わないため、金属アレルギーの心配がありません。強度がある分、歯を削る量は多くなります。
ハイブリッドセラミック
歯科用プラスチックにセラミックの粒子を混ぜた材料です。名前にセラミックと付きますが、性質としてはプラスチックに近い材料です。
自費の中では費用を抑えられ、硬すぎないためかみ合う歯を傷めにくいという利点があります。一方でプラスチックを含むため、年月とともに着色や変色が起こり、すり減りも生じやすい点は事前にご理解ください。セラミックと比べると透明感でも劣ります。
ゴールド
いわゆる金歯です。金は体との親和性が高く、古くから使われてきた材料です。
- 利点:歯にぴたりと合い段差ができにくい/適度な硬さでかみ合う歯を守れる/きわめて劣化しにくい/削る量が少なくて済む/金属アレルギーが起きにくい
- 注意点:金色で目立つ/費用が高い
見た目の点で選ばれる方は多くありませんが、材料としての性質は良好で、かむ力の強い方の奥歯には適した選択肢です。
費用(すべて税込・1本)
当院の自費の詰め物・被せ物の費用です。自費治療は全額自己負担となります。
詰め物
| 材料 | 費用(税込・1本) |
|---|---|
| ハイブリッドセラミック | 60,500円 |
| ジルコニア | 69,300円 |
| セラミック | 71,500円 |
| ゴールド | 110,000円 |
被せ物
| 材料 | 費用(税込・1本) |
|---|---|
| ジルコニア エコノミー(奥歯) | 88,000円 |
| ジルコニア ハイグレード(前歯・奥歯) | 121,000円 |
| オールセラミック(前歯・奥歯) | 132,000円 |
| ゴールド(奥歯) | 143,000円 |
| ジルコニア プレミアム(前歯・奥歯) | 165,000円 |
最新の費用は費用・値段表のページでご確認ください。お支払いは現金またはクレジットカード(自費治療・一括払いのみ)に対応しています。保険診療は現金のみとなります。
自費の詰め物・被せ物には保証期間を設けています。期間内の欠けや脱落は無償で対応しますが、定期検診を受けていただくなどの条件があります。期間と条件は治療を始める前に必ずご説明します。
治療期間と通院回数の目安
詰め物・被せ物そのものの治療は、型取りと装着で通常2回です。1回目に形を整えて型を取り、技工所で製作したものを2回目に装着します。製作にかかる期間は1〜2週間程度です。
ただし、これは歯を削る処置だけで済む場合の回数です。次のような場合は回数が増えます。
- 虫歯が深く神経の治療が必要な場合:根の治療に数回かかり、その後に土台を立ててから型取りとなるため、合計5回以上になることがあります
- 装着後にかみ合わせの調整が必要な場合:1〜2回の追加となることがあります
- 歯ぐきの状態を先に整える必要がある場合:歯周病治療を並行して行います
実際の回数は歯の状態を診てからご説明します。治療を途中でやめてしまうと、削ったままの歯や仮の詰め物のまま放置することになり、歯が欠けたり虫歯が進んだりします。最後まで通いきれる計画をご相談ください。
リスク・副作用
自費の詰め物・被せ物には、次のリスクと副作用があります。治療前に必ずご説明しますが、あらかじめご確認ください。
- お口の中の状況によっては使用できない場合があります
- ごく稀に、欠けたり壊れたりする可能性があります
- 強度を確保するため、保険の材料より歯を多く削る場合があります
- 事前に神経の処置(根管治療)や土台(コア)の処置が必要となることがあります
- かみ合わせや歯ぎしりの強い方には、破損を防ぐためにマウスピースの使用をおすすめすることがあります
- 装着後にしみる症状が出ることがあります。多くは時間とともに落ち着きますが、続く場合はご相談ください
- ハイブリッドセラミックは、年月とともに着色・変色・すり減りが生じることがあります
- 自費治療は全額自己負担となります
治療後にしみる症状については歯がしみるのは知覚過敏?原因と治療法もあわせてご覧ください。
場所によって選び方は変わります
前歯
色と透明感が最も問われる場所です。保険の硬質レジン前装冠は数年で黄ばみが出るため、長く使うことを考えるとオールセラミックやジルコニアプレミアムが選ばれることが多い場所です。
小臼歯(前から4番目・5番目)
笑ったときに見える方が多く、「銀歯にすると目立つのでは」とご相談をいただくことが最も多い場所です。かむ力は前歯より強いものの、一番奥ほどではないため、選べる材料の幅が広い場所でもあります。
大臼歯(一番奥)
かむ力が最も強くかかります。見た目より強度を優先すべき場所で、ジルコニアやゴールドが適します。かみ合わせの力が特定の歯に集中していないかも確認します。
入れた後に長持ちさせるために
どの材料を選んでも、入れたあとの管理で寿命は変わります。
- 歯と材料の境目を意識して磨く。ここが最も汚れがたまりやすい場所です
- 歯ぎしり・かみしめの自覚がある方は、力を和らげる装置を検討する
- 定期検診で、境目のわずかな不具合を早い段階で見つける
- 歯を支える歯ぐきの状態を保つ
日々のケアと定期検診については予防歯科のページをご覧ください。詰め物・被せ物が取れてしまったときの対処は詰め物・被せ物が取れたときの対処と再治療で解説しています。虫歯そのものの治療は虫歯治療のページをご覧ください。
材料ごとの詳しい説明は詰め物・被せ物のページにまとめています。
よくある質問
奥歯は見えないので銀歯で問題ないでしょうか?
見た目だけで判断するのはおすすめしません。銀歯は年月とともに劣化して歯との間に隙間ができやすく、その下で虫歯が再発することがあります。見えない場所だからこそ発見が遅れるという面もあります。費用を含めてご説明しますので、両方を比べたうえでお決めください。
セラミックとハイブリッドセラミックは何が違いますか?
セラミックは陶材だけで作るのに対し、ハイブリッドセラミックは歯科用プラスチックにセラミックの粒子を混ぜた材料です。ハイブリッドセラミックは費用を抑えられますが、プラスチックを含むため年月とともに着色や変色が起こることがあり、すり減りも生じやすい材料です。
セラミックは割れませんか?
強い力が加わると欠けたり割れたりすることがあります。近年は曲げ強度の高い材料が使われるようになり適応する範囲は広がっていますが、かむ力が強い方や歯ぎしりのある方では破損の可能性があります。その場合はマウスピースの使用や、より強度のある材料をご提案します。
金属アレルギーが心配です。
セラミックやジルコニアなど金属を使わない材料をお選びいただけます。銀歯に含まれる金属は唾液に触れると溶け出すことがあり、アレルギーの原因になる場合があります。銀歯を入れてから口内炎や皮膚の症状が続いている方は、一度ご相談ください。
治療は何回くらい通いますか?
詰め物・被せ物そのものは、型取りと装着で通常2回です。ただし虫歯が深く神経の治療が必要な場合は根の治療に数回かかり、その後に土台を立ててから型取りとなるため、合計で5回以上になることがあります。実際の回数は歯の状態を診てからご説明します。
保証はありますか?
自費の詰め物・被せ物には保証期間を設けています。期間内の欠けや脱落は無償で対応しますが、定期検診を受けていただくなどの条件があります。期間と条件は治療前に必ずご説明します。
銀歯を白い歯に変えたい方、材料で迷っている方へ
おの歯科医院はJR岡崎駅東口から徒歩3分、駐車場12台を備えています。費用と注意点をご説明したうえで、無理におすすめすることはありません。

