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歯の豆知識

根管治療(歯の根の治療)の流れと通院回数

この記事の要点

  • 根管治療は、細菌に感染した歯の神経と血管を取り除き、根の中を清掃して密閉する治療です。
  • 通院回数が多くなるのは、根の中を清掃して細菌が減ったことを確認しながら段階的に進める必要があるためです。
  • 根の清掃だけで2〜4回、土台と被せ物まで含めると合計5〜8回程度が目安です。
  • 治療を途中でやめると、清掃した根の中に細菌が再び入り込み、抜歯につながる可能性が高まります。
  • 神経を取った歯はもろくなるため、被せ物で覆うところまでが1セットの治療です。

根管治療とは、歯の中の細い管を清掃する治療です

根管治療とは、歯の内部にある「根管」という細い管の中から、細菌に感染した神経や血管を取り除き、清掃・消毒して薬剤で密閉する治療です。「歯の根っこの治療」「神経を取る治療」と呼ばれるものが、これにあたります。

歯は外側から順に、エナメル質、象牙質、そして中心部の歯髄という構造になっています。歯髄には神経と血管が通っていて、歯に栄養を送り、刺激を感じ取る役割を担っています。この歯髄が虫歯の細菌に感染したり、外傷で傷んだりすると、内部で炎症が起こります。

歯髄は硬い歯に囲まれているため、炎症で腫れても逃げ場がありません。その結果、内部の圧力が高まって強い痛みが出ます。夜になると痛みが増すのは、横になって頭部の血流が増えることで圧力が上がるためです。

なぜ神経を取る必要があるのか

結論として、炎症が歯髄全体に広がってしまった場合、神経を残すと痛みと感染が続くため取り除く判断になります。

虫歯が浅い段階であれば、削って詰めるだけで治療は終わります。神経の近くまで進んでいても、炎症が限られた範囲なら神経を保護して残す処置を検討できる場合があります。

しかし細菌が歯髄の奥まで達すると、歯髄は自然に治りません。放置すると神経が死に、根の先から顎の骨へ炎症が広がっていきます。この段階では痛みが一度消えるため「治った」と誤解されやすいのですが、内部では感染が進行しています。

やがて根の先に膿がたまり、歯ぐきが腫れる、かむと痛む、顔が腫れるといった症状で再発します。ここまで進むと歯を残すことが難しくなる場合もあるため、痛みが消えたかどうかではなく、原因が取り除かれたかどうかで判断する必要があります。

虫歯そのものの進行段階と治療方法については、虫歯治療のページで解説しています。

治療の流れ

おおまかには次のように進みます。

1. 診査と診断

レントゲン撮影で根の形や本数、根の先の炎症の有無を確認します。冷刺激や打診による反応も見て、神経の状態を判断します。上顎の奥歯は根が3〜4本、下顎の奥歯は2〜3本あり、本数や形は人によって異なります。

2. 神経の除去と根の中の清掃

麻酔をしたうえで歯に穴を開け、専用の細い器具で根管内の感染した組織を取り除きます。同時に薬剤で洗浄し、細菌を減らしていきます。根管は細く曲がっていることが多いため、この工程が治療の中心になります。

3. 消毒と経過の確認

根の中に薬剤を入れて仮のふたをし、次回まで置きます。次の来院時に痛みや腫れが引いているか、内部の状態が落ち着いたかを確認します。落ち着いていなければ、再度清掃と消毒を行います。

4. 根管の充填(密閉)

細菌が十分に減ったと判断できた段階で、根管内に隙間ができないよう薬剤を詰めて密閉します。ここが不十分だと、あとから細菌が入り込んで再治療が必要になります。

5. 土台(コア)の装着

神経を取った歯は内部が空洞になっているため、被せ物を支える土台を立てます。この土台をコアと呼びます。

6. 被せ物の装着

土台の上に被せ物を作って装着し、かみ合わせを調整して治療が完了します。

歯の痛みや腫れが気になっていませんか?

おの歯科医院はJR岡崎駅東口から徒歩3分、駐車場12台を備えています。治療の見通しや通院回数についても、事前にご説明します。

お電話でのご予約:0564-55-8282

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なぜ通院回数が多くなるのか

「根っこの治療は何回も通わないといけない」と言われる理由は、根の中の細菌を減らす工程が一度では終わらないからです。

根管は直径1ミリに満たない細い管で、しかも枝分かれしていたり緩やかに曲がっていたりします。この中の細菌を器具と薬剤で減らしていきますが、一度の処置ですべてを取り除くことはできません。薬剤を入れて時間を置き、次回に炎症が落ち着いたかを確認する。この繰り返しが必要になります。

目安としては次のようになります。

工程 回数の目安
診査・診断 1回
神経の除去と根の中の清掃・消毒 2〜4回
根管の充填 1回
土台の装着 1回
被せ物の型取りと装着 2回

合計で5〜8回程度が一般的な範囲です。ただし感染が強い場合、根の形が複雑な場合、以前に治療した歯の再治療の場合は、回数が増えることがあります。逆に炎症が軽い場合は少ない回数で済むこともあります。

回数が多いことは、治療が長引いているのではなく、根の中を確実に清潔にするための工程です。当院では初回の診査の時点で、おおよその見通しをお伝えするようにしています。

治療中・治療後に痛みが出ることがあります

根管治療の途中や直後に、痛みや違和感が出ることがあります。主な理由は次のとおりです。

  • 清掃の刺激によるもの:器具や薬剤が根の先の組織に触れることで、一時的に反応が出ます。数日で落ち着くことが多いです。
  • 根の先の炎症が残っているもの:内部に細菌が多く残っている段階では、腫れや鈍い痛みが続くことがあります。
  • かみ合わせが当たっているもの:仮のふたや被せ物が高いと、かむたびに力がかかって痛みます。調整で改善します。
  • 治療した歯以外が原因のもの:隣の歯や歯ぐき、かみしめの癖が痛みの元になっている場合もあります。

痛みが強くなる、腫れが引かない、熱が出るといった場合は、次の予約を待たずにご連絡ください。

治療中の痛みへの配慮については、痛みの少ない治療への取り組みのページでご紹介しています。

土台(コア)と被せ物までが1セットの治療です

根の中の治療が終わっても、それだけでは治療は完了しません。神経を取った歯は栄養や水分が届かなくなり、時間の経過とともにもろくなって割れやすくなります。そのため被せ物で全体を覆って保護する必要があります。

その被せ物を支えるのが土台(コア)です。土台には主に次の種類があります。

  • 金属の土台(メタルコア):強度があります。ただし金属は歯より硬いため、強い力がかかったときに歯の根に力が集中し、根が割れる原因になることがあります。
  • ファイバーの土台(ファイバーコア):グラスファイバーの芯を樹脂で固めたものです。硬さが歯に近く、力がかかったときに歯と一緒にわずかにたわむため、根への力の集中を抑えられると考えられています。

ファイバーコアには利点がありますが、どの歯にも適しているわけではありません。歯の残っている量が極端に少ない場合や、かかる力の方向によっては、金属の土台の方が適していると判断することもあります。残っている歯の量、かみ合わせ、被せ物の種類をあわせて選択します。

被せ物の種類については、詰め物・被せ物のページをご覧ください。

治療を途中でやめると何が起こるか

根管治療で最も避けたいのが、途中での中断です。

治療中の歯は、根の中を清掃した状態で仮のふたをしています。この仮のふたは次の処置のために外せるようになっているため、長期間そのままにすると外れたり隙間ができたりします。すると清掃した根の中に細菌が入り込み、感染が再び進みます。

さらに、神経を取った歯は被せ物で覆われるまで無防備です。仮の状態でかみ続けると歯が割れることがあり、根が縦に割れてしまった場合は抜歯が必要になります。

痛みが消えると通院をやめてしまう方がいらっしゃいますが、痛みが消えたのは神経を取ったからで、治療が終わったからではありません。最後の被せ物が入るまでが1つの治療です。

都合がつかず間隔が空いてしまう場合も、そのままにせずご相談ください。仮のふたを作り直すなど、状態を保つ対応ができます。

治療した歯を長持ちさせるために

根管治療をした歯は、治療後の管理で寿命が大きく変わります。

  • 被せ物の縁から虫歯になりやすいため、定期的に確認する
  • 神経がないため、再び虫歯になっても痛みで気づけない。自覚症状に頼らず検診で確認する
  • 歯ぎしりやかみしめが強い場合は、装置で力を和らげることを検討する
  • 歯を支える歯ぐきと骨の状態を保つ。歯周病が進むと歯が持たなくなる

神経がない歯は痛みという警報が働きません。だからこそ定期的な確認が重要になります。予防歯科歯周病治療のページもあわせてご覧ください。

よくある質問

根管治療は何回くらい通院が必要ですか?

歯の状態によりますが、根の清掃だけで2〜4回、その後の土台と被せ物を含めると合計5〜8回程度が目安です。感染が強い場合や根の形が複雑な場合は、さらに回数が増えることがあります。

神経を取った歯は、もう痛くならないのですか?

痛みを感じにくくなりますが、痛みが出ることはあります。根の先に炎症が残っている場合や、かみ合わせの力が強くかかっている場合、また歯の周囲の組織が原因の場合に痛みが生じます。

治療の途中で通院をやめてしまうとどうなりますか?

根の中は清掃した状態で外部とつながっているため、細菌が入り込んで再び感染が進みます。仮のふたが取れて歯が割れることもあり、最終的に抜歯が必要になる可能性が高まります。

神経を取らずに残す方法はないのですか?

虫歯が神経に達する前の段階であれば、神経を保護して残す処置を検討できる場合があります。ただし炎症が神経全体に広がっている場合は、残すと痛みや感染が続くため取り除く判断になります。

根管治療をした歯は、どのくらい持ちますか?

適切に治療して被せ物で保護し、定期的に管理すれば長く使えます。一方で神経を取った歯は栄養が届かず、もろくなって割れやすくなるため、被せ物で覆わないまま使い続けると寿命が短くなります。

治療の途中で通院が止まってしまっている歯はありませんか?

おの歯科医院はJR岡崎駅東口から徒歩3分、駐車場12台を備えています。治療の見通しや通院回数についても、事前にご説明します。

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監修:おの歯科医院 院長 小野 幹宏

平成9年3月 朝日大学歯学部卒業。秋山歯科・小島歯科にて8年間の勤務を経て、平成17年4月に岡崎市柱町にておの歯科医院を開院。愛知県歯科医師会 会員、岡崎市歯科医師会 会員。

おの歯科医院/〒444-0834 愛知県岡崎市柱町字下荒子58-9(JR岡崎駅東口より徒歩3分・駐車場12台)/TEL 0564-55-8282/休診日:木曜・日曜・祝日

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