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根面むし歯の進行も止まりにくいって、本当?

根面はむし歯の進行も止まりにくいって、本当?

こんにちは、院長の小野です。

どうして、進行が止まりにくいのでしょう。

それは、エナメル質と象牙質との違いにあるそうです。

なぜなら、根面はむし歯の進行が止まりにくい場所でもあり、それは根面の象牙質の組織構成が関係をしています。

歯冠部を覆うエナメル質の構成は、無機質が95~97%、有機質が3~5%。

対して、根面の象牙質は、無機質が65~70%で、残りの30~35%が有機質です。

有機質のほとんどはコラーゲンです。(コラーゲンはたんぱく質の1種類で、皮だけでなく、骨、軟骨、血管などにも存在します)

エナメル質は六角柱状のハイドロキシアパタイトの結晶が規則正しく並んでできています。

一方の象牙質には、格子状のコラーゲンを足場にして、ハイドロキシアパタイトの結晶がくっついています。

エナメル質のむし歯は、細菌の酸などにより、正面にあるハイドロキシアパタイトの結晶内の成分(リン酸やカルシウム)が溶け出す(脱灰)ことで進みます。

溶け出した成分は、唾液の作用により結晶内に戻ってきますが、これには時間が掛かります。

戻って行くスピードより溶け出すスピードが早い状態が長く続くと、やがて結晶の中身がスカスカになり、ついには結晶の外側がぼろっと剥がれ落ち、穴になります。

これが穴の空いたむし歯になります。

それに対して象牙質では、脱灰によりハイドロキシアパタイトの結晶が崩されるのに続き、コラーゲンの層が「コラゲナーゼ」と言う細菌の酵素により分解されます。

コラーゲンを修復する力は唾液にはないため壊れたコラーゲンの層はむき出しのまま、新たな酸にさらされてしまうことになります。

この構造の違いにより、根面の象牙質のむし歯は進行が止まりにくいのです。

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