根面はなぜむし歯になりやすいの?
こんにちは、院長の小野です。
根面はどうしてむし歯になりやすいのでしょうか?
それは、歯冠部よりも弱いからです。
では、根面がむし歯になりやすい理由を述べていきましょう。
まず1つに、根面の象牙質を覆うセメント質が非常に薄いことです。
歯冠部の場合、厚みがあり硬いエナメル質が鎧のように象牙質を覆っていますが、根面では、非常に薄い象牙質がコーティングをしているだけです。
場所によっては、元々の象牙質がなく象牙質が外にむき出しになっているところもあります。
その厚さはなんと薬用のオブラートと同程度の20ミクロンほどだと言われています。
そのため、セメント質は細菌の出す酸に簡単に侵食されてしまい、すぐに内部の象牙質が露出してしまいます。
そして、2つ目に象牙質はエナメル質よりも酸に弱く、成分が溶け出すPHが高いのです。
私たちのお口の中は、飲食ごとに、お口の細菌の酸によりPHが下がります。
一定のPHを下回ると、歯の成分が唾液中に溶け出す脱灰という現象が起きますが、これはエナメル質と象牙質とではPHが異なります。
溶け出すスタートラインは、エナメル質が5,5で、象牙質は6,4です。
つまり、今までエナメル質が溶けなかったPHでも、象牙質では溶けてしまうと言うことになります。
このようなことから、歯冠部にはむし歯がないのに、気がつかないうちに根面がむし歯になってしなおことになってなってしまいます。