1年前に歯に詰め物を入れたんだけど、もう取れちゃった。
歯医者が下手くそなのかな?
こんにちは、院長の小野です。
詰め物を入れて直ぐに取れてしまったと言うなら、治療自体に問題があると考えられます。
しかし、1年経っているのであれば、患者さんのお口の中に外れてしまった要因が潜んでいる可能性があります。
治療が終わってからそれまで、詰め物はただお口の中でじっと静かにしていたのではありません。
食べ物をかみ砕いたり、すりつぶしたりする時や、食いしばって力を入れたりしていたはずです。
当たり前のように考えがちですが、じつはお口の中は相当過酷な状況なのです。
詰め物の寿命については、いくつかの臨床データがありますが、寿命を減らす要因として、「むし歯のリスク」と「かみ癖」が挙げられます。
詰め物自体はむし歯にならないにせよ、詰め物の周りはむし歯になりやすい部分です。
「むし歯のリスク」を下げるには、ご想像の通り、規則正しい歯磨きが効果的です。
磨くときには歯を強くするフッ素入りの歯磨き粉を使うとよいでしょう。
ちなみに、最近では虫歯予防に唾液が重要であることがわかってきました。
もう一つの要因である「かみ癖」については、患者さんがご自分で気付くのはなかなか難しいものです。
就寝中の歯ぎしりのように、習慣的な食いしばりは、歯と詰め物にかなりの負担が生じます。
過度なストレスがかかると、歯にも様々なトラブルが生じます。
詰め物が外れるのもその一つです。
噛み合わせが原因で詰め物が繰り返し外れるような場合には、マウスピースを装着して歯を保護することもあります。
なお、詰め物や被せ物が外れた場合、放っておくのはよくありません。
外れた部分に食べかすが溜まってむし歯になってしまいます。
また、力のかかり方が変わるため、他の歯に負担がかかってしまい、歯が欠けやすくなるなど、より深刻な状況につながる事があります。
詰め物が取れた反対側で噛んでいると、噛み合わせに影響を与えたり、そちら側の詰め物だって外れてしまうかも知れません。 いずれにせよ、取れたら直ぐにかかりつけの歯科医院へ受診することをお勧めします