歯の治療をしてもらう前に麻酔の注射をしてもらったのですが、急に心臓がドキドキしました。
その後は何ともなかったものの、次の麻酔を受けるのが不安です。
こんにちは院長の小野です。
むし歯の治療や歯周病の歯周外科の治療、歯を抜く時に用いられる麻酔注射(局所麻酔)。
歯の神経に麻酔薬を作用させて、処置の痛みを感じさせないようにするもので、スムーズな歯科治療のために欠かせないものとなっています。
お口の中は感覚が鋭く、痛みや違和感に敏感です。
そのため歯科では、麻酔注射には特に注意を払い、そうした不快感をできるだけ軽減させる手法を用意しています。
例えば、注射の痛みを減らすために、細い注射針を使ったり、注射の前にお口の粘膜に表面麻酔を塗ったり、麻酔薬が注入される時の圧力による違和感を軽減するために、ゆっくり一定の速度で注入したりしています。
では、麻酔でドキドキする原因として考えられるのは、まず精神的なストレスです。
麻酔注射にかかわらず、注射はやっぱり怖いですよね。
歯科治療に苦手意識や不安感、恐怖心があるときはなおさらでしょう。
また、もう1つとして考えられるのは、麻酔薬に含まれている成分です。
歯科で最も多く(約90%)使われている局所麻酔薬のリドカイン製剤には、血管収縮薬としてアドレナリンが含まれています。
治療が必要な部位に麻酔成分(リドカイン)が長くとどまるようにするために、その部位の血管を収縮させるのがアドレナリンの役割です。
しかし、アドレナリンは、血圧を上昇させたり、脈を早くする働きがあるので、注射直後から10~20分くらい心臓がドキドキすることがあります。
なお、このアドレナリンの含んだ麻酔薬は、高血圧や糖尿病の方には、動悸や息切れ、血圧の上昇などを引き起こすこともありますので、そういった方には、アドレナリンが入っていない麻酔薬もありますので、教えてください。
インドアビュー